お口の中は様々な刺激を受けます。“冷たい”“熱い”といった温度による刺激、“辛い”“酸っぱい”といった味覚による刺激、“歯にあたる”“間違って噛む”といった歯による刺激などが挙げられます。そのため、お口の中には様々なご病気が出現します。
早期にご相談いただくことで治療や対応が簡単に終わる可能性があります。黒川歯科クリニックでは、20年以上口腔外科診療に従事した歯科医師が責任を持って対応致します。
東京医科歯科大学、国立国際医療研究センター病院在籍時には、様々なお口の病気に対応してきました。大学病院や総合病院であれば敷居が高く受診を躊躇するところもあるかと存じます。黒川歯科クリニックではお気軽に受診しご相談していただくことができます。
お口の検診
お口は食道、胃、腸と同じ様に重要な消化器のひとつです。
食道、胃、腸では、バリウム検査や内視鏡検査(胃カメラなど)を受けることで早期に病気を発見できます。お口の中は、バリウム検査や内視鏡検査の様な苦痛を感じることなく、簡単に検査を行うことができます。
実際、当院でお口の検診を受けていただいた患者さんの中に口腔がんが見つかった方もいらっしゃいます。1000人にお1人程度ではありますが、無症状の方、症状がおありだった方様々でした。
歯だけではなく、お口の中に何か異常がありましたら、お気軽にご相談ください。
お口の中の様々なできもの
お口の中のできものといえばいわゆる口内炎が一般的ですが、痛みもなく、できものがだんだん大きくなるような場合は良性腫瘍やがんの可能性もあります。
症状としては、赤くなる程度のものや強い痛みが伴うもの、ただれや水ぶくれができるものなど様々で、原因もそれぞれ異なります。
多くの人が経験している口内炎は、ひどくなると痛みが強くなり、食事をとりにくくなるため、適切な対処によって、効果的に改善させることが大切です。また、ときには重大な病気の全身症状の一つとして発生するケースもありますので、口内炎の正しい知識をおさえ、必要に応じて医療機関を受診することも重要です。
3週間以上、症状が続いていたり、慢性的に繰り返したりする場合は、お早めにご相談ください。
口内炎
“歯がざらつく”、“歯にあたる”といった、歯の被せ物や詰め物が原因になることや、夜間の歯ぎしりや舌の不随意運動(舌を左右に動かす、舌を突き出すなど)などの不良習癖、合わない入れ歯が原因になることもあります。体質的によくできる方もいらっしゃいます。
できたばかりのときにひどい痛みを伴うこともありますが、1〜2週間ぐらいで治ってきます。
また、お身体の重要な病気(免疫が低下する病気や潰瘍性大腸炎など)の初期症状としてできる事もあります。
口内炎と関連している疾患
お口の中の状態に関係なく、お身体の病気の症状のひとつとして口内炎ができる場合もあります。
- 免疫力が低下する病気
(がん・HIV感染症・糖尿病など)
- がん・HIV感染症・糖尿病などは自己免疫力が低下します。このような病気では細菌が多く存在するお口の中で炎症を起こしやすく、口内炎ができやすいと考えられています。血液のがんである白血病では、初期症状として口内炎ができることがあります。
そのほか、ベーチェット病、潰瘍性大腸炎、クローン病、尿毒症など様々な疾患が原因で口内炎はできます。
口腔がん
お口の中にできる悪性腫瘍を“口腔がん”といいます。お口のなかでは舌にできることが一番多いです。あくまでひとつの目安ではありますが、3週間以上治らない口内炎があるときは単なる口内炎ではない可能性があります。
他のお身体のがんと異なり、お口のがんは直接見ることで早期に確認することができます。
白板症
お口の中に、白いできものができます。頬の内側や舌、歯茎にでき、こすってもはがれません。まわりが赤くなることがあり、食べ物がしみたり、ぶつかることで痛みがでることもあります。前癌病変に分類され、がん化する確率は約3~10%程度と言われています。
口腔扁平苔癬
お口の中に、レース状や網状の白いできものができます。頬の内側にできることが多く、舌や歯肉にもみられることもあります。
原因がよくわかっていないため、なかなか治りません。前癌状態に分類され、がん化する確率は約1%程度です。
口唇ヘルペス
唇にかゆみや痛みが出た後に、小さな水ぶくれが唇にできます。かさぶたになり1~2週間で治ります。風邪、ストレス、疲労などをきっかけに症状がでます。再発を繰り返し易いウィルス性の病気です。
手足口病
手足口病は、ウィルス性の疾患で夏に流行し、1~5歳に多く発症します。水疱瘡(みずぼうそう)のような発疹が手のひらや足の裏、ひざ、お尻などに現れ、水ぶくれはやがてつぶれて痛みをともないます。発熱するケースは少なく、高熱になることがあまりないのも特徴です。
口腔カンジダ症
口の中に白い斑点(カンジダ菌の菌塊)が付着しお口のなか全体に広がる病気です。白い斑点はこするとはがれます。カビ(真菌)の一種であるカンジダ菌は、お口の中にもともと存在しますが、お口の清掃不良、入れ歯、免疫力の低下などにより増えます。お口の中がところどころしみ始め、やがて白い斑点ができ、増えていきます。味覚障害を伴うこともあります。高齢の方に多くみられます。
粘液嚢胞
唾液の流出障害によってお口の中にできる唾液の嚢です。半球状に盛り上がり柔らかく膨らみます。青味がかかった半透明の色に見えることや、繰り返し咬むことで表面が白くなることもあります。唇や舌や頬の内側など誤って咬む場所によくできます。つぶれて治ったように見えてもしばらくするとまた同じ場所にできます。
線維腫
線維組織の増殖によってできる病気で、歯茎、頬の内側、舌、唇などにできます。柔らかく、半球状に盛り上がりポリープ状になります。痛みを有することはほとんどありません。頬の内側や舌が歯に当たる、辛いものや熱いものをよく食べるなどの慢性の刺激が原因と考えられています。
ニコチン性口内炎
喫煙習慣のある方はニコチン性口内炎を発症する可能性があります。ニコチン性口内炎は、口の粘膜や舌に白っぽいしわができて厚くなります。白い斑点や赤い斑点ができることもあります。激しい痛みはありませんが、ピリピリとした刺激を感じることがあります。予防や治療には禁煙が必要になります。がんに変化するおそれもありますので、医療機関を受診し、精査することをおすすめします。
妊娠性エプーリス
妊娠すると歯茎にエプーリスと呼ばれるしこりができることがあります。妊婦の1~5%にみられると言われています。出産後に消えてしまう事が多いので、基本的に切り取る必要はありません。