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親知らずの抜歯

Wisdom teeth

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「親知らず」

黒川歯科クリニックでは、20年以上口腔外科診療に従事した歯科医師が「親知らず」の抜歯を担当致します。東京医科歯科大学、国立国際医療研究センター病院在籍時には、様々な「親知らず」の抜歯に対応してきました。CT等、安全に抜歯を行えるような設備を整えておりますので安心してご来院ください。

また、大きな病院では初診の予約が取得できない場合や、当日の抜歯を希望されても断られる場合などもあります。黒川歯科クリニックでは、事前に予約取得していただければ、お仕事や学校をお休みすることなく、抜歯を行うことができます。お気軽にご相談ください。

Wisdom teeth「親知らず」とは

「親知らず」は、顎(あご)の一番奥に生える歯で、永久歯のなかで最後に発育します。親の手を離れ、親の知らぬ間に生えてくることが名前の由来といわれています。「親知らず」には個人差があります。はじめからない方や上下左右の4本が揃っていない方、また、まっすぐに生えてくるとは限らず、横や斜めに生えている方、埋まったままの方もいます。
他の歯と同じように正常に生え、しっかりかみ合っている場合はとくに問題はありませんが、悪影響をもたらすような生え方の場合は、抜歯を検討する必要があります。

「親知らず」を抜く必要がありますか?

食生活の変化により、日本人の平均的な顎の大きさは少しずつ小さくなってきています。「親知らず」は顎の一番奥に最後に生えてくるため、「親知らず」が正しい位置に真っ直ぐ生えることができず、顎の位置からずれて生えたり、斜めや横を向いて生えたり、ほんのわずかにお口の中に生えるなど、「親知らず」を正しく磨くことができない状況に陥ります。

そのような「親知らず」がお口の中に存在すると、お口の中の細菌の数が増加し、「親知らず」が虫歯になる、「親知らず」周囲の歯茎が腫れるなどのトラブルの原因となります。更に、「親知らず」だけではなく、他の歯が虫歯になるリスクや歯周病が進行するリスクも増加します。

また、「親知らず」のトラブルを放置すれば、骨髄炎(こつずいえん)や蜂窩織炎(ほうかしきえん)といった重症な感染症につながり、点滴加療や大きな病院に入院が必要になることもあります。

Wisdom teeth「親知らず」の痛みの原因

「親知らず」の痛みは、「親知らず」が生えてくるときに歯茎が傷つけられること、「親知らず」が虫歯になること、歯周病のように細菌に感染し炎症を起こしたりすることによって生じます。

「親知らず」は歯肉が部分的に被ることで不潔になり、炎症が起こりやすくなります。この歯肉の炎症を智歯周囲炎(ちししゅういえん)といいます。口が開けられなくなったり、痛みとともに熱が出たりすることもあります。「親知らず」が疲れている時に痛むことが多いのは、身体の抵抗力が落ちたときに炎症が起こりやすいためです。

妊娠によるホルモンバランスの変化で、痛みが出ることもあります。そのため妊娠前の女性には「親知らず」の抜歯をおすすめしています。妊娠中はお薬の使用に制限がでることがあるためです。

Wisdom teeth「親知らず」が引き起こすお口の中のトラブル

「親知らず」はしっかり磨けません

横向きや斜めに生えている場合、一生懸命磨いても歯ブラシがうまく当たらずに、「親知らず」や手前の歯がむし歯になる可能性が高くなります。

歯茎が炎症を起こします

「親知らず」に被っている歯茎はしっかり磨けないため、不潔になりやすく、炎症をおこしやすくなります。そのため、他の歯と比べると腫れや痛みが出やすくなります。これは口臭の原因にもなります。また、「親知らず」の周りに汚れがたまることで、手前の歯も歯周病にかかりやすくなります。

歯茎を噛みやすくなります

上顎の「親知らず」が生えてくると下顎の歯茎を噛んでしまい、炎症や痛みの原因となります。

歯並びを悪くすることがあります

横向きや斜めになっている「親知らず」が手前の歯を強く押すことで、歯並びやかみ合わせが悪くなる場合があります。

顎関節症の原因になることがあります

「親知らず」によってかみ合わせが悪くなると、食事の時に左右の顎をバランスよく使うことができず、片方の顎に負担がかかり、顎関節症を引き起してしまうことがあります。

Wisdom teeth抜歯がすすめられる「親知らず」

「親知らず」がしっかりかみ合っていて、痛みもなく周りの歯や歯列に影響がない場合は抜歯の必要はありませんが、明らかに悪影響が出ている場合は抜歯をおすすめします。また、日頃から歯科健診を受けて、不具合の兆候がみられる「親知らず」を早期に発見し、適切な処置をうけることも大切です。

抜歯がすすめられるケースには、主に以下のようなものがあります。

抜歯がすすめられるケース

  • 歯茎の腫れや痛みを繰り返している
  • 「親知らず」または手前の歯がむし歯や歯周病になっている
  • かみ合う歯がなく、周りの歯茎を噛んでいる
  • しっかり生えているがきちんとブラッシングが出来ない
  • よく食べ物がつまる
  • 手前の歯を強く押して歯並びやかみ合わせに悪影響を与えている
  • 「親知らず」が顎関節症など他の病気の原因になっている

※以下は、必ずしも抜歯をしなくて良いケースです。

  • 上下とも他の歯と同じように正常に生え、歯並びやかみ合わせも問題がない
  • 矯正治療で利用する

「親知らず」の抜歯は、詳しい診察が必要となります。お悩みの際はお気軽にご受診ください。

Wisdom teeth抜歯は周囲の神経や血管の確認が必須(CT検査は大切です)

「親知らず」の抜歯を行う際に重要なことは、状態を正確に把握するということです。抜歯時に神経に触れたり、太い血管を傷つけたりしないために、「親知らず」の周囲の確認が必須となります。

CT検査を行うことで「親知らず」の根と下顎管(下顎神経の通り道)や上顎洞(副鼻腔と呼ばれる鼻の一部)といった解剖学的に重要な組織との位置関係を3次元的に評価することができます。「親知らず」の部位を立体的に把握でき、神経や血管の位置を考慮しながら治療を進めることが可能になるため、埋まっている「親知らず」でも、必要以上に歯茎を切ったり、顎の骨を削ったりせずに抜歯ができます。従来のレントゲン撮影(2次的な評価)より正確に解剖学的な情報を把握できますので、より安全に抜歯を行うことができます。

Wisdom teeth抜歯中の痛みについて

抜歯は、麻酔を十分効かせて行いますので、抜歯中に痛みを感じることはほとんどありません。まず、表面麻酔をしっかり効かせてから注射の麻酔を行います。抜歯中に痛みがある場合は、麻酔を追加し痛みがない状態にします。麻酔の効果が不十分な場合は、顎全体に麻酔を行うこともできます。痛みがあるうちは抜歯をしませんのでご安心ください。

※「親知らず」の抜歯に対してご不安が強い方には静脈内鎮静法を併用することで、眠ったまま抜歯を行うことも可能です。ご相談ください。

Wisdom teeth「親知らず」の抜歯の流れ

STEP 1カウンセリング
現病歴、既往歴、内服されているお薬などを伺い問診票も利用し、お身体の状況を確認します。レントゲン撮影を行い、お口や歯の状態を確認させていただき、治療の流れなどを説明いたします。抜いたほうがよいか、抜かなくても良いか、アドバイスさせていただきます。抜歯を行う場合は、抜歯の方法や抜歯後の注意事項の説明をします。
STEP 2CT検査
「親知らず」が神経や血管に近い場合や、上顎で副鼻腔に近い場合はCT検査を行い、神経や血管の位置、「親知らず」の根の状況、副鼻腔との位置関係を3次元的に確認します。事前に「親知らず」の状態を詳細に把握することで、安全を十分確保して抜歯を行います。
STEP 3抜歯準備
「親知らず」に炎症が起きている場合は麻酔が効きにくかったり、抜歯後に重篤な痛みや腫れがでる可能性が高くなるため、抗生物質(細菌の増殖を防ぐ薬)を服用していただき、まず炎症を抑えます。また、お口の中の細菌数を減らす目的に、お口の中を綺麗にします。
STEP 4表面麻酔と注射麻酔
表面麻酔を行い注射の痛みを感じなくさせたのちに、注射麻酔を行います。これにより麻酔の痛みを最小限に抑えます。麻酔がしっかり効いてくるのを待ってから抜歯をおこないます。
STEP 5「親知らず」を抜歯する
「親知らず」に歯茎が被っている場合、歯茎を切開して「親知らず」をお口の中に出します。横向きや斜めに生えている「親知らず」は、いくつかに分割して取り除きます。奥に埋まっている場合は、周囲の骨を削ることもあります。
STEP 6縫合
切ったところを丁寧に縫合します。歯を抜いたことで生じた穴(傷)の部分が早く塞がるようにかさぶたの形成を促します。痛みや腫れを最小限に抑えるように配慮します。また、ガーゼをしっかり噛んでいただき、圧迫止血を行います。
STEP 7翌日の消毒
抜歯の翌日は、出血・細菌感染などの確認と消毒を行います。状態によって薬を調整します。
STEP 81週間後に抜糸
抜歯後1週間ほど経過すると傷口が塞がってきますので、確認して問題がなければ抜糸をします。その後、3~4週間で傷口は完全に塞がり、骨は3~6カ月程度で回復します。※この期間には個人差があります。

Wisdom teeth抜歯後の注意点(患者様からよくある質問)

抜歯後はどのように過ごせば良いでしょうか?
抜歯後、2~3日は安静にしましょう。
術後2~3日は腫れや痛みがあります。また、かさぶたができるまでは、出血しやすい状態になります。アルコールや運動、長時間の入浴など血行が良くなるようなことは避け、安静にしましょう。
血が止まらない場合は、清潔なガーゼやティシュなどを丸めて歯を抜いたところに置き、しっかり噛むことで圧迫止血をします。痛みがつよいとしっかり噛むことができませんので、痛み止めをしっかり服用してください。
抜歯当日は少量の血が付着する程度は正常です。
抜いた箇所が気になるのですが、、
抜歯の穴の内部は触らないようにしてください。
抜いた穴の中にできるゼリー状のかさぶたを、洗い流さないようにしてください。つよくうがいをしたり、歯ブラシでこすると、かさぶたがはがれてしまいます。かさぶたを食べかすと思って剥がしてしまうと、痛みがつよくでたり、治癒期間が延びたり、傷口が細菌に感染したりすることがあります。
抜歯後に起こりうるリスクは?

可能性として起きうるトラブルは下記になります。

「親知らず」抜歯後に起きうるトラブル

抜歯後感染
抜歯したところに細菌が感染を起こさないように抗生物質(細菌の増殖を防ぐ薬)を飲んでいただきますが、お口の中には様々な細菌が存在するため、抜歯したところが化膿することがあります。
ドライソケット
抜歯後、血餅(かさぶたの様なもの)の形成が不十分で、お口の中に骨が露出してしまうと、ひどい痛みが抜歯後直後ではなく、数日経過した後に出現します。
神経障害
「親知らず」の近くに、重要な神経が存在することがあります。そのような場合、抜歯の侵襲により神経が刺激され抜歯後に神経障害が出現することがあります。下顎の「親知らず」を抜歯した際に、約5%の確率で下顎の先の皮膚、下唇、歯、歯茎の感覚に異常がでると言われています。非常に稀ですが舌の感覚にも異常がでることもあります。
上顎洞炎
上顎の「親知らず」を抜歯した後に、上顎洞に炎症が起こることがあります。上の「親知らず」と上顎洞は解剖学的に非常に近いことが多いため、炎症が波及しやすいです。鼻水、鼻出血、鼻閉感などの症状がでることがあります。
歯茎が白いけど大丈夫?
「親知らず」を抜歯すると、翌日には抜歯したところに血餅とよばれる血のかたまりができます。絶対に歯ブラシではがさないようにして下さい。出血や痛みにつながります。
更に数日経過すると白く変化し、脆弱な歯茎が形成されます。"白いかたまり"、"白いぶよぶよ"、"白いできもの"のようにも見えますが、異常ではありません。この白い歯茎も歯ブラシでこすったり、とらないようにして下さい。
抜歯約1週間で白い歯茎の血液循環がよくなり、いつもの赤い歯茎に戻ります。