“あごが痛い”、“口が開きづらい”、“口を開けると音がする”このような自覚の方は顎関節症かもしれません。
顎関節症の場合は、あごの動きに連動して痛みが出ることが多いと言われています。何もしなくてもあごが痛いという場合は顎関節症ではなく、親知らずの痛みなど他に原因があるかもしれません。お気軽にご相談ください。
顎関節症とは?(日本顎関節学会によると)
あごの関節やあごを動かしている筋肉の痛み、顎関節の雑音(あごを動かす際の音)、”口が開きづらい”あるいは”あごが動かしづらい”などを症状とするあごの障害をとりまとめた病気です。以下の型に分類されます。
- 1型あごを動かす筋肉の痛みを主な症状とするもの(咀嚼筋痛障害)
- 2型顎関節の痛みを主な症状とするもの(顎関節痛障害)
- 3型顎関節の中の関節円板(顎関節の骨と骨の間にあるクッションの役割をしている組織)のずれが生じるもの(顎関節円板障害)
- 4型顎関節を構成する骨に変化が生じるもの(変形性顎関節症)
顎関節症の原因ははっきりとはしていませんが、咬み合わせ、不良習癖、ストレスなどとされています。
どのような検査をしますか?
日常生活の状況を伺います。不良習癖、ストレスの有無など、顎関節症は生活習慣との関連性も指摘されていますので、非常に重要な項目です。また、あごの動きの検査、お口を開ける量の検査、痛みの部位の検査、レントゲン検査、なども行います。
どんな治療がありますか?
顎関節症の何型かにより治療法も異なります。外科療法を積極的に行っていた時代もありますが、現在は保存療法が推奨されています。生活指導や、運動療法、薬物療法、スプリント療法などが主な治療法です。
- 生活指導
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- ・一方のあごだけで噛むことを控える
- ・硬い食べ物や長時間噛むことを控える
- ・集中している時やリラックスしている時に上下の歯がくっついていれば歯を離す
- ・ストレスをなくす
- 運動療法
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顎関節症の型に応じて以下を行います。
- ストレッチ:あごの筋肉や関節周囲の靭帯などの柔軟性や伸張性を改善します
- 可動化訓練:あごの関節の動きを良くして開口量を回復させます
- 円板整位運動療法:関節円板を正しい位置に誘導します
- 薬物療法
- あごの関節やあごを動かす筋肉の痛みに対し、消炎鎮痛薬を使用します。症状に応じて、薬の種類や服用方法を調整します。
- マウスピースや
スプリント療法
- 夜間に装着し、あごを動かす筋肉の緊張緩和やあごの関節への負担を軽減し、あごの安静をはかります。また、睡眠時のはぎしりやくいしばりにも有効です。単純挙上型、スタビライゼーション型、前方誘導型などがあり、顎関節症の型に応じて使い分けます。